今回は
『人』『石ころ』『星』のちょっと深いお話です。
見えないけれど、実は深く繋がった関係なので、その辺りを探求します。
↓こちらからの続きです。
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古代人の暮らしと共に常に身近にあった石ころの話しは、#7と#8で既に書いたのだけれど。
せっかくだから、『石』についてもう少し掘り下げてみようと思う。
石はヒトが地球に誕生するよりもずっと前から存在している。
今のところ、一番古い石だと考えられているのは
カナダの岩石で、推定42億8千万歳の年代ものだ。
(イメージ画像)
地球誕生が46億年前といわれている。
それで、海が出来たのは44億年前くらいで、生物らしきものの誕生が38億年前だと言われているので、年代物の石の古さがよくわかる。
太古の昔からあり続けているのだから、「永遠の象徴」として崇める対象になるのも分かる気がする。
ところで、石はどこからやって来たのか?
地球誕生の時には、まだ存在していない。ということは、どこかのタイミングで石もまた誕生したわけだ。そして、成長もするし、風化もする。
無機物で変化のないイメージだけれど、そう考えたら「生き物」のようにも感じるから面白い。
ここからは、少し深堀していこう。
【石ってナニ?】
石は、岩石 や 鉱物(結晶) のこと。
宝石や水晶などの色がきれいな鉱物は希少で魅惑的で美しいからコレクションしたくなる。
これは...
深掘りすると沼にハマりそうな気がするので今回は宝石の深堀はしない。
さて、『石ころ(岩石)』目線で話しを進める。
【石ころの星 地球】
ざっくり分類すると3つの岩石でできているらしい。
①マントルをつくる緑の石(かんらん岩)→地球内部にあるためほとんどお目にかかれない
②海洋をつくる黒い石(玄武岩)→マグマが急速に冷却されたもので①のこどもみたいな石 ※ロミロミのホットストーンは玄武岩※
③大陸をつくる白い石(花こう岩)→ゆっくり冷え固まった石
石の色で分けて見るのは面白い気がした。足元は白、海の底は黒、地底は緑。
ちなみに地球の内核は、純度の高い鉄(液体)らしいから、コアの色は何色なのか?赤?黒?青?それとも白銀?
【岩石の成分】
95%は「ケイ酸塩鉱物」でできている。
主成分のケイ酸塩とアルミニウム、マグネシウム、鉄、カルシウムなどが混ざってる。
地球の地殻の質量の74.3%が酸素とケイ素で占めているらしい。(内訳:酸素46.6%/ケイ素27.72%)
ちなみに、結晶化したものが水晶(クウォーツ)だ。
そして、ケイ酸塩を含む宝石はオパールだ。オーロラみたいな色味で美しい。
そう。
地球誕生からまもなく、重い鉄は内へ沈んでいき、鉄より軽いケイ素は表層に移動したようだ。
内部に鉄の塊があるわけだから、地球は大きな磁石なのだ。
磁気(磁場)のおかげで、太陽風などの有害な物質から私たち生物は守られている。宇宙からの有害物質を特段気にせずに過ごせるから本当にありがたい。
ちなみに、極地方でみられる「オーロラ」は磁場と太陽風の関連で起こる天文現象。
オーロラの色は大気の成分で変わる。
いつか本物を見に行ってみたいなぁ。個人的にはニュージーランド。赤いオーロラと天の川・南十字やマゼラン大星雲とかと一緒に眺めてみたい。
地球の地殻の話しをしたので、地球の成り立ちも。
【岩石の誕生】
太陽が誕生して
その周囲に集まったチリがぶつかり合い小天体となり、それがまたぶつかり合わさって段々球体となり、地球が誕生。
初期の地球はマグマオーシャン。高温で陸も海もないドロドロの塊だった。←岩石の素になる
天体の衝突が次第に落ち着くと、温度が下がり始め、蒸気の雲が雨を降らせた。
何年も降り続く雨と太陽光を遮る雲で地表温度は徐々に冷えていき、マグマは急速に固まり地面ができた。雨のおかげで大きな水溜まり(海)もできた。
表面は固まっても、内部は流動している。ケイ素は軽いから浮くように島ができる。それらが、沈んで溶けたり、ぶつかって隆起したり合体したりしながら大陸になっていく。
岩石は沈み込む時に、海水などの水と共に地底に取り込まれてマグマになり噴火し、また地上に吹き出す。
水と共に『岩石』も循環しているのは面白い。
【星の成分は 星】
宇宙が誕生した頃にあったのは水素と少しのヘリウムだったといわれる。
そこから、星が次々に誕生して寿命を迎えて散っていった。その膨大なエネルギーによりそれまで存在していなかった重い元素の炭素、窒素、酸素等が産み出された。
そこから、また星々の誕生と終焉で、さらに重い銅や鉄や金などの元素が産み出された。
だから地球は、その産物で構成されている。
そして、地球で誕生した私たちも、
みな例外なく宇宙にある物質から誕生した「星の産物」なのだから、なんかすごい。
【体内のミネラルは『星』と一緒】
星を作る成分は、私たちの体内にも微量にある。微量でありながら生命維持には欠かせないミネラル成分なのだ。そう考えると、私たち自信も「星の産物」であることに深く納得してしまう。
鉄やマグネシウムなどが重要なのは言わずもがなで、
石ころの主成分のケイ素はどうだろうか?
ケイ素自体は自然界では、シリカ(ケイ酸塩の一種で二酸化ケイ素のこと)の形をとっていることが多いらしい。
人体中(体液・毛髪・爪・骨)にも水溶性のシリカが微量に含まれていて、
免疫力・肌の保湿・コラーゲン生成や維持などの手助けをしている。
シリカは普段は食事から摂取できているらしい。(ミネラルの過剰摂取はしないように注意)
そして、現代人の生活にもよく馴染んでいる。
工業用品・日用品・化粧品・食品・雑貨や温泉に至るまで、とにかく密に私たちの日常に溶け込んでいるシリカ。
古代人は『石ころ』と共に生活していたわけだが、
現代人の生活もまた、形は変われど『石』との関係は普段から濃密だったのだ...。
そして、ケイ素自体も岩石と同様に地球で循環している。
風化した岩石からケイ素の成分が海へと流れ出て、ケイ藻の養分となり海の環境に大きく関わっている。
知らないところで、色々なモノがぐるぐると巡っている。
普段は気にかけない足元の『石ころ』も深掘りすると、、
「君はどこからやって来たの?」と思わず声を掛けたくなってなってしまう。
(↑怪しいからやらないけど ね 汗)
つい、「目に見えるものだけが正しい」と思いがちだけれど、
自然科学とか宇宙のこととかを知ると、随分傲慢な見方だと思い知らされる。
目に見えていない部分が沢山あって、知らないところで多くのものが作用しあって、
繋がりが途切れずに今ここにある。
全く無駄がない。
想像もつかない絶妙なバランスで今があるのだから、ただただ 驚く ばかりである。
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今回は
『人』『石ころ』『星』の、見えないけれど深い繋がりに思いを馳せてみました。
足元の石に声を掛けるときは、周囲に人がいないことを確認してくださいね。
またね☆ミ