とりわけ役立つわけではないけれども~holoholohoi!~@waiilele北本ロミロミ

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#4 6月の星と古代ハワイアンの航海術

6月は1年のうちで最も日が長くなる 。

6月の下旬頃に夏至があるから。

でも実際日本では、梅雨時期で曇りや雨が多くて、なかなか日の長さを感じにくいかもしれない 。

 

夜空を見上げても 曇天だから、 残念ながら季節の星を楽しもうと思っても結構難しい。

プラネタリウムであれば 、いつでも満天の星の世界で非日常を味わうことができるので、 お近くのプラネタリウムへ 気分転換に 鑑賞しに行くのもおすすめだ。


この時期、夜の9時位に見られる 関東の星空は、天の高いところに オレンジ色の一等星が輝く。(雲っていたら見えないけれど)

 

星の名前は、アークトゥルスうしかい座の1等星だ。


f:id:holoholohoi:20210526134547j:image画像:アストロアーツ

 

この星は古くから世界各地で 注目されている。

例えば日本では、農業に関係する星。麦を刈る時期に空の高いところで輝くので『麦星』『麦刈り星』と呼んだ地域もある。

 

古代のメソポタミアでは、羊飼いの星。 羊飼いが夜に羊の番をしながら、満天の星を見て 沢山の星々を 羊として見ていた。その中でアークトゥルスは沢山の羊を束ねる『リーダー』として見ていたようだ。

 

古代のハワイアンにとっては、 航海の星で、特にアークトゥルスはとても重要だった。

ちなみにハワイ語では、ホクレア(hokulea)という。意味は『喜びの星』。

さて、

どんな思いがあっての喜びなのか 少し想像して考えてみる。

 

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太平洋の島々のポリネシア地域においての航海はDNAに刻まれた切っても切り離せない自分をなすものの一部なのかもしれない。

 

その昔、

葉っぱを編んだ帆を立てて双胴(木製)カヌーで、マルケサス諸島やタヒチから太平洋の東にポツンと浮かぶ 小さな島へ移動した。その距離4千km以上とも言われる。

海図もなく、島の存在すらあるかどうかも確信がない。海流もわからない。沖では天候も大きく変わる。コンパスや羅針盤もなく、360度 空と海の世界において自分のいる場所を把握することはとても困難なはず。どこまで船を進めるのか、どこで引き返す選択をするのか。生きるための衣食住もすべてカヌーの上で賄うため、そこに何を乗せるのか、置いていくのか。


f:id:holoholohoi:20210526135851j:image

大海原での過酷を極める旅は、肉体的にも精神的にも屈強で、相当な覚悟や折れない決意と大きな好奇心が必要になるはずだ。

今の時代で考えると、GPSもなく簡素なカヌーで太平洋を横断するなんて、本当に考えられない無謀な冒険だと言うことはよくわかるかと思う。

 

いざ、出航!

陸が見えているうちは良いが、沖に出ると見渡す限りの海と空。そこで、頼りになるのは天体だ。 昼は太陽の位置を夜は星の輝きを頼りに、自分の位置を知り目的地へ向けて進む。

命に関わることなので、星を正確に読むことはとても重要だということはよくわかる。

 

急激な天候の悪化や海流や風の変化で海に棲む生き物や渡り鳥も見つけられない。何日も、太陽や星も見えない日が続いたかもしれない。さらには、緯度が変わると見える星も変わる。大きな不安や恐怖、そして孤独と戦いながら 、海と空の狭間で命を懸けて小さなカヌーで未だ見ぬ地へ挑いいでいく。

 

そんな極限のなかの希望の光は何だったのだろうか...

 

終わりが見えることの安心感。

もう少しでゴールだ!

という 見通しが持てるということは、どんなに 救われるだろうか。

 

ハワイの島々の 緯度まで来ると、 天頂に輝くのがホクレア(アークトゥルス)だ。

(季節や時間帯も加味しなくてはならないが...) 

 

最初は、アークトゥルスを目印にしたわけではないのかもしれない。

孤独な海路でどう進むか迷ったときに天を仰いで、たまたま見えたオレンジに輝く星に目がいっただけなのかもしれない。頭上真上に来るまでところまで船を進めてみよう、目安として試しただけかもしれない。

まだ島が見えなくとも、潮の流れや風邪の臭い、打ち返す波の表情、渡り鳥や海洋生物や漂流物などで島の存在を知ることができたらしい。

全身で自然からの情報をキャッチし、未だ見ぬ新たな地『ハワイ』まで、もう間もなくだと確信できたのだろう。


f:id:holoholohoi:20210526140018j:image

 

しつこいけれど、海図も羅針盤GPSもない時代、中世よりもずっと前に、航路の旅を成し遂げたのは常人ではないよね。

 

最初はラッキーで到達したのかもしれないけれど、その後も4千km以上の距離を航海するには、星を読まなくてはならない。

 

そこでハワイまでの重要な目印のひとつだったのが『ホクレア』だ。

きっと、頭上高くこの星の輝きを見られた時に、

ヨッシャ~!

と手を取り合って歓喜したのかもしれない。

 

うしかい座の1等星アークトゥルス→『ホクレア(喜びの星)』

 

古代ハワイアンにおいてこの星の輝きは、喜ばずにはいられない!そんな大切な星だったのだと思う。

 

しっかし...

こんな技が成せるのは、筋骨粒々、屈強な体と精神力を持ってして成せるものだが、そればかりでは船を進められない 。自然を読む力に長けていなくてはならない。

鋭く豊かな感性に合わせ、高度な天文知識やカヌーを操る技術など様々な知識や技術を持ってして成せる移動だから、古代の人々には本当に驚かされる。

 

目に見えないものも慈しむ一方で、様々な分野で高度な知識や知恵と技術を持ちあわせている 古代のハワイアン。自然と共に逞しく生き抜いてきた人々の生活や考えや思いなどを知ることは、とりわけ役立つわけではないのだけれど、私の心をワクワクさせてくれる。

 

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今回は、アークトゥルスから古代ハワイアンの航海に思い馳せた、そんな話しでした。

またね~☆ミ

 


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